天龍寺の概要
天龍寺(天竜寺)は、暦応二年(1339)足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うため夢窓疎石を開山に招いて創建した。
寺院が建てられた場所にはかつて後嵯峨上皇の亀山殿があり、後醍醐天皇も幼少時に住まわれていたことからこの地が選ばれたという。
創建時は暦応資聖禅寺という名前だったが、二年後に天龍資聖禅寺に改称。「天龍」は尊氏の弟 直義が夢に見た竜の姿に由来する。
夢窓疎石は、中国・元との交易を再開し天龍寺船という貿易船を就航させて造営費用を調達。康永二年(1343)には広大な伽藍が形成された。
将軍 足利家の帰依を受けた天龍寺は至徳三年(1386)京都五山の第一位に格付けされるなど大いに興隆したが、室町幕府の没落や応仁の乱(1467 〜 1477)、天災などの影響を受け次第に衰退してしまった。
豊臣秀吉らによって再興された後も度々危機を迎え、幕末 元治元年(1864)の禁門の変(蛤御門の変)に際し長州派の拠点となったことで壊滅的な被害を受けた。
現存する伽藍は明治時代以降に再建されたもの。
平成六年(1994)ユネスコ世界遺産に登録。
天龍寺の見どころ
曹源池庭園
天龍寺の大方丈と書院の前に広がる曹源池庭園は室町時代に開山の夢窓疎石が作庭したもので、創建当時の面影を現在に伝えている。
嵐山、亀山を取り入れた借景庭園であり、桜、紅葉など季節に応じて旬の木々が色を添える。
国の特別名勝庭園となっているほか、苔寺(西芳寺)、南禅院とともに夢窓疎石作の三名勝史跡庭園にも数えられる。
境内北にある「百花苑」は昭和五十八年(1983)に北門と共に造営された回遊式庭園であり、枝垂れ桜、ツツジ、しゃくなげ、あじさいなど四季折々の花が楽しめる。
法堂の雲龍図
天龍寺の法堂の天井には日本画家 加山又造筆の「雲龍図」がある。妙心寺のものと同様、どの角度からみても目が合う「八方睨みの龍」になっている。
かつては明治時代に鈴木松年が描いたものが残っていたが、損傷が激しいことから平成九年(1997)に入れ替えが行われた。
毎年2月に以前の雲龍図の一部が公開される。
紅葉シーズンの早朝拝観
天龍寺では、秋の紅葉シーズンに庭園の早朝拝観を実施している。
朝7時30分開門となり、混雑を避けて庭園を楽しむことができる。書院や法堂の拝観は通常通りの営業時間なので要注意。
嵐電嵐山駅とキモノフォレスト
天龍寺の目の前には嵐電嵐山駅がある。
駅には荷物預かり所、レンタサイクル、足湯などがあるので嵐山観光の拠点にするとよい。
駅にあるキモノフォレストもフォトスポットとして人気。
天龍寺 写真撮影の注意事項
三脚禁止。法堂内部は撮影不可。
天龍寺の混雑
人気の観光地であり終日混雑する。
天龍寺の御朱印
300円。書き置きのみ。
天龍寺のアクセス
住所と地図、経路のリンク
- 〒616-8385 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68( →地図でみる)
- →現在地から天龍寺の経路を表示
- →京都駅から天龍寺の経路を表示
電車 バス
- 嵐電「嵐山駅」徒歩2分
- JR線「嵯峨嵐山駅」徒歩10分
- 阪急電車「嵐山駅」徒歩10分
- 市バス(系統:11、28、93)「嵐山天龍寺前(嵐電嵐山駅)」徒歩すぐ
- 京都バス(系統:62、72、77、92、94)「嵐山天龍寺前(嵐電嵐山駅)」徒歩すぐ
駐車場
広い有料駐車場がある。休日は前の通りが一方通行になる。
渡月橋周辺の駐車場なども利用できるが、紅葉シーズンは平日でも人が多いため車で嵐山へ近づくのは控えたほうがよい。
天龍寺の基本情報
- 名前:てんりゅうじ / tenryuji
- 創建:1339年
- 山号:霊亀山
- 開山 / 開基:夢窓疎石 / 足利尊氏
- 宗派: 臨済宗天龍寺派大本山
- 本尊:釈迦如来
- 公式情報:http://www.tenryuji.com
- 観光エリア:嵐山・嵯峨野
- 住所:〒616-8385 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68( →地図でみる)
- 受付時間:8:30 ~ 17:30(10月下旬 〜 3月下旬は17:00)
- 拝観料:庭園 500円 / 書院 300円 / 法堂 500円(法堂は休日のみ拝観可能。春と秋の繁忙期は毎日公開)
- 所要時間の目安:1時間 〜 1時間30分