海住山寺の概要
海住山寺は天平七年(735)に聖武天皇の勅願を受けた良弁が創建した藤尾山 観音寺というお寺が起源と伝わる。
一帯は百人一首にも登場する瓶原(みかのはら)という名前であり、後に恭仁京(くにきょう)が造営されることになる地でもあった。
保延三年(1137)に焼失したが、承元二年(1208)に笠置寺の貞慶上人(じょうけい、解脱上人とも)によって再興された。
貞慶は幼少の頃より興福寺(奈良県)で学んだ南都仏教界でも傑出した学僧であり、当地を観音様の浄土にあたる補陀落浄土になぞらえて寺名を補陀落山 海住山寺とした。
貞慶の後を継いだ慈心上人 覚真が伽藍を整備し、五重塔は建保二年(1214)貞慶の一周忌に建立されたものが現存する。
海住山寺の見どころ
国宝 五重塔
海住山寺の五重塔は解体修理こそ行われているものの、建保二年(1214)に建てられた姿のままで残っており国宝の指定を受けている。
一層の屋根の下に裳階(もこし)と呼ばれる風雨避けの意匠が施されているのが特徴で、同様の形式の五重塔は法隆寺(奈良県)などごく僅かな類例を残すのみとなっている。
もともとは覚真が後鳥羽上皇から拝領した東寺、唐招提寺(奈良県)の仏牙舎利を祀るために建立したもの。
内部に安置されていた四天王像(鎌倉時代)は現在奈良国立博物館に寄託されている。
例年、五重塔の内陣は10月末から11月初旬の1週間ほどの期間だけ御開帳が行われ内部を拝むことができる。
また境内の文殊堂も鎌倉時代に建立されたものが現存する。
仏像と宝物
海住山寺の本堂にお祀りされている本尊 十一面観音立像は平安時代に彫刻された一木造りの像。
その他、海住山寺は長い歴史の中で数々の寺宝を所蔵しており、毎年4月下旬から5月上旬、10月下旬から11月の特別展でその一部が公開される。
眺望と食事休憩
急坂を登った山の中腹に位置する海住山寺の本堂裏からは、かつて瓶原と呼ばれた地域の風景を眺めることができる。
京都のお寺としては珍しく弁当を持参して境内で飲食をすることも認められている。ただし飲食は本堂拝観の志納金500円を納めた参拝者のみ可。
海住山寺 写真撮影の注意事項
写真撮影、三脚の使用は本堂拝観の志納金(500円)を納めた参拝者のみ可。入山料100円で入場した場合は散策のみで写真撮影は禁止。
お堂内部、仏像、宝物は撮影不可。
海住山寺の混雑
平時は空いている。
寺宝の特別公開や五重塔開帳の期間は混雑することがある。
海住山寺の御朱印
300円。国分寺跡と源光寺の御朱印も授与される。
海住山寺のアクセス
住所と地図、経路のリンク
- 〒619-1106 京都府木津川市加茂町例幣海住山境外20( →地図でみる)
- →現在地から海住山寺の経路を表示
- →京都駅から海住山寺の経路を表示
電車 バス
- 奈良交通(系統:66)「岡崎」徒歩40分
海住山寺は山の中腹に位置しものすごい急坂を登らなければならないため、できれば車で参拝したほうがよい。
駐車場
山門の下に参拝者用の無料駐車場がある。
海住山寺の基本情報
- 名前:かいじゅうせんじ / kaijusenji
- 創建:735年
- 山号:補陀洛山
- 開山 / 開基:良弁 / 聖武天皇
- 宗派:真言宗智山派
- 本尊:十一面観音
- 公式情報: http://www.kaijyusenji.jp/index.html
- 観光エリア:当尾・木津川・京田辺
- 住所:〒619-1106 京都府木津川市加茂町例幣海住山境外20( →地図でみる)
- 電話:0774-76-2256
- 受付時間:9:00 ~ 16:30
- 拝観料:境内参拝 100円 / 本堂内拝観 500円 (宝物展や五重塔の御開帳の期間は変動あり)
- 所要時間の目安:30分