伏見稲荷大社の概要
伏見稲荷大社の創建年代については諸説あり確たる史実は定まっていないが、和銅四年(711)に渡来系豪族 秦氏(はたし)の秦伊呂具(はたのいろぐ)が稲荷山の三ヵ峰に大神を祀ったのにはじまると伝わる。
「山城国風土記」逸文によると、伊呂具が餅に向かって矢を放ったところ餅が白い鳥となって山へ飛び立ち、そこに稲が生えたことから「稲がなる → イナリ」と呼ばれるようになったという。
「山城国風土記」では「伊奈利」という漢字が当てられているが、延長五年(927)に編纂された延喜式神名帳には現在と同じ「稲荷」という表記がある。
天長四年(827)、淳和天皇の病気の原因が東寺建立のために稲荷山の木々を伐採した祟りだとされたことから、当社に勅使が派遣され従五位下の神階を授けられた。
その後は東寺の鎮守社として信仰され、また数々の天皇の行幸が行われるなどして繁栄したが応仁の乱(1467 〜 1477)で荒廃。現存する建物の大半は明応年間(1492 〜 1500)の再建である。
天正十六年(1588)豊臣秀吉が母 大政所の病気平癒を祈願したところ成就したことから当社の再興・修築にも尽力し、楼門はこの頃の建立という。
江戸時代に入ると商人から商売繁盛の神として崇敬を集め、稲荷大神の使いである狐の穴ぐらに神社が建てられるなど各地に多くの稲荷社が創建された。
祈願成就のお礼として赤い鳥居が奉納されるようになったのもこの頃からという。
かつては稲荷神社と称したが、全国に約三万社あるともいわれる他の稲荷社と区別するため昭和時代より伏見稲荷大社という社名を名乗り現在に至っている。
伏見稲荷大社の見どころ
千本鳥居
伏見稲荷大社は稲荷山そのものをご神体とし、山一帯が神域とされている。
山頂へと向かう参道沿いには人々から奉納された赤い鳥居が延々と連なり、京都、ひいては日本を代表する景観として世界的に知られている。
奥社手前の千本鳥居が特に有名だが、現在は山頂までほぼ途切れずに鳥居が続く。
頂上までは約40分ほどはかかるため、サンダルやヒール、着物レンタルの草履など歩きにくい靴での登頂は控えたほうがよい。
なお鳥居の奉納は誰でも行うことが出来、初穂料は17万5000円から。
おもかる石
千本鳥居を抜けた奥社の横にある「おもかる石」は、願い事を思い浮かべた後で石を持ち上げたとき、その重さが想像より軽く感じられれば願い事が叶うと信じられている。
7月の本宮祭
伏見稲荷大社では様々な祭礼が催されるが、特に毎年7月 土用の丑の日の後の休日に開催される「本宮祭(もとみやさい)」、およびその前日の宵宮祭が有名。
祭りの期間は境内一面に提灯が灯され、夜の景色は特に幻想的である。
ご利益 願掛け
- 商売繁盛
- 五穀豊穣
- 安産
- 病気平癒
- 学業上達
など
伏見稲荷大社 写真撮影の注意事項
特になし。三脚も使えるがとにかく人が多いため周囲の人の通行を妨げないよう配慮が必要。
最近は朝の6時台から外国人観光客が訪れているため、写真撮影が目的ならば日の長い夏場の早朝が望ましい。
伏見稲荷大社の混雑
日本有数の人気観光地であり終日混雑する。
伏見稲荷大社の御朱印
300円。
本殿、奥社(おもかる石の横 / 書き置きのみ)、稲荷山の三箇所ある。
稲荷山の社務所(山頂手前の四辻分岐を左へ進んだ所にある)は15時30分頃で受付終了なので要注意。
伏見稲荷大社のアクセス
住所と地図、経路のリンク
- 〒612-0882 京都府京都市伏見区深草藪之内町68( →地図でみる)
- →現在地から伏見稲荷大社の経路を表示
- →京都駅から伏見稲荷大社の経路を表示
電車 バス
- JR線「稲荷駅」徒歩すぐ
- 京阪電車「伏見稲荷駅」徒歩5分
駐車場
参拝者用の広い駐車場がある。
24時間無料で開放されているが車中泊などは禁止!
また初詣の時期は常に満車なので車での参拝は控えたほうがよい。
伏見稲荷大社の基本情報
- 名前:ふしみいなりたいしゃ / fushimiinaritaisha
- 創建:711年?
- 祭神:宇迦之御魂大神 / 佐田彦大神 / 大宮能売大神 / 田中大神 / 四大神
- 公式情報:http://inari.jp
- 観光エリア:東寺・東福寺・伏見稲荷大社
- 住所:〒612-0882 京都府京都市伏見区深草藪之内町68( →地図でみる)
- 受付時間:境内自由 / 9:00 ~ 16:00(社務所)
- 拝観料:境内自由
- 所要時間の目安:1時間 / 山頂まで登る場合は2時間