木山へ訪問 ブログレポート
「木山」は御所南にある完全予約制・コース料理のみの高級和食店。
2022年夏に値上げがあり、ランチは14520円、ディナーは30250円(税サ込)。お昼に夜のコースも可 (最新の料金は →公式サイトを要確認)。
冬場のみ蟹の特別コース(時価、5万~)があります。
「ミシュラン☆ / 食べログ百名店 / あまから手帖100選」
「受賞歴」のあるものを掲載しています。最新版には載っていないことがあります。
店主の木山さんは岐阜県出身。
バイト経験から飲食業に興味をもち、進学校から大学ではなく板前修行の道へ。19歳のときに地元の料理屋の勧めで和久傳へ入社。
100人以上の料理人を抱え、東京や大阪など日本各地で名を轟かせる有名和食板前を数多く輩出している高級料亭グループ 和久傳において弱冠25歳で京都駅の新店「はしたて」の主に抜擢、その4年後には20代の若さで「京都和久傳」の料理長に就任というゴボウ抜き人事で腕を認められた天才料理人です。
自身の名字を冠した「木山」は2017年、36歳の時に開店。
京都御苑の近く、通称「御所南」と呼ばれる閑静な住宅街のマンション1階テナントにお店があります。
この日は開店15分前に着きましたが、すでに暖簾がかかっており入店できました。のれんをくぐると女将さんがお出迎え。
エントランス付近はクロークになっており、上着、大きい荷物はここで預けます。ハンドバッグ、セカンドバッグなどをカウンター席に持ち込む場合はかばん置きを用意してもらえるので安心。
カウンターに座ると一組ごとに店主の木山さんが挨拶に来られます。
2021年春頃より店内は一切の写真撮影が禁止となっています。この記事の写真はそれ以前に訪問した時のもの。
こちらのお店のカウンター席は「一斉スタート」かつ「板前さんのペースで料理がでてくる」タイプ。
2022年に2階カウンター席が増築され、1階と2階で18時スタートと19時スタート(ランチは12時と13時)の客を振り分け時間をずらして対応するようになったそう。
木山さんの料理は、まず開業前の工事に際し敷地内で偶然見つかったという水脈から組み上げた超軟水の井戸水からスタート。
ちなみに2018年から室町和久傳の料理長を務められている松本さんは木山さんと入社時期が近い盟友だそうで、この井戸水を室町店でも融通して使うこともあるそう。
序盤は茶懐石に則った流れということで、一汁三菜を意識した構成で汁物、飯が供されます。
箸置きがないのも伝統的な作法に寄せているためで、箸休めの際は口をつけたほうを折敷の端から出して引っ掛けて置きます。
またドリンクリストはない?ようで、日本酒やワインは相談しながら決めます。詳しくないならばおまかせでOK。リーズナブルで美味しいものを注いでもらえます。
店主はお酒が趣味ということで、希少な高級酒のストックも色々ある様子。
こちらは秋のディナーコースの一例。
続いて木山さん一番の見せ場、だし取りが開始。
目の前で削り出した「鰹の荒節、本枯節、鮪節(福岡の林久右衛門商店のものだそう)」と「井戸水で2日間水出しした礼文島の利尻昆布だし」を合わせてコースの主役 椀物が完成します。
削りたての節をつかって出汁をとる、というのは独立を決めてお店のコンセプトを相談した際に当時の和久傳総料理長 岩崎武夫さんから頂いたアイデアだそうです。
私が伺った日に節を削っていたのは木山さんではなく、女性のお弟子さんが任されていました。
ちなみに余った節は酒のつまみとしていくらでも食べさせてもらえます。
次にお造り。目の前で店主の木山さん自らが引いたものがバックヤードで盛り付けられて出てきます。
ここまでで「飯」と「汁」 、「煮物椀」、「向付」にコッペガニを加えてさながら一汁三菜といったところでしょうか。
コース後半は旬の食材をポーション大きめで、という修行元の和久傳を感じさせる季節の料理。メインから脇の素材まで非常に細かく繊細な仕事がなされています。
締めは複数の種類から選び放題、食べ放題。もちろんどれだけ食べても追加料金なし。お腹がきつい場合は少なめで全部という注文もOK。
丼はルーツである「はしたて」への思いも込めているそうです。
食後はラ・フランスのジュースを一口、目の前で木山さんと女将さんが立ててくれるお抹茶と和三盆でコースは終了。
少し待つと女将さんから一組ごとに伝票が渡されるので、お会計を済ませます。
退店時は出口までお弟子さんのエスコートがつき、勝手口から先回りした木山さんにお見送りしていただけます。
木山 本音のクチコミ
木山 ここが○
- 茶懐石と和久傳風季節の料理に独自のセンスを織り交ぜた料理構成
- 器・設え
- 行ったことがあるのを自慢できる有名店
- スタッフ全員の接客
- 一見客にも気を配る店主の対応
印象に残ったのはお弟子さん達がみんな楽しそうにお仕事をされていること。京都の板前さんは客前のカウンターでも弟子を厳しく指導する方が多く、ピリついてるお店も多いので。
私が伺ったことのある京都の和食店の中では比較的緊張感がある雰囲気でしたが、きさくに話をふってくれたり質問にも答えてくれたりと接客は好印象。
店主の木山さんも営業時間中はだし取りとお造りを引く以外はほぼ接客にまわっており、常連との会話を抜け出して一見客や個室にも話に来てくれるのが嬉しい。
木山 ここが×
- 3時間以上かかるなら予約時に一言ほしい
- カウンターでのサプライズは?
- 超有名店・人気店なので客層は‥
- 店内写真撮影禁止(ある意味では+)
たまたまかもしれないのですが、私が伺った日は18時スタートで退店時間は21時過ぎ。
コース料理なので時間かかること自体は構わないのですが、料理の提供のタイミングから最後に支払いの伝票を受け取るまでのすべてをお店側のペースに委ねるスタイルで3時間以上も必要な場合は公式サイトへの記載や予約時に一言ほしかった。
観光客でこれから伺う予定の方、とくにランチの場合は要注意。
京都の観光地はライトアップなどを除くと16時か17時に閉まることが多いので、ランチが15時過ぎまでかかるとすると午後は観光する時間がなくなるというのが一つ。
もうひとつは、木山さんは締めが食べ放題でランチ終了後夕方の時点で満腹状態になるため、夜ご飯の内容や時間とセットで予定を組む必要があります。
また、この日は終盤で同席した他のお客さんのバースデーサプライズがあり、電気が落ちて暗闇からハッピーバースデーを合唱するお弟子さんと花火付きケーキが登場。
その時ばかりは、客単価3万以上のカウンターが、まるで10代の頃に友人がバイトしている焼き肉の牛角で誕生日会をしていたときのような雰囲気に‥
心が狭いと言われたらそれまでなのですが、ドレスコード指定など緊張感のあるお店作りを意識されているように見受けられるだけに、カウンター席で他の客を巻き込んだ学生サークルのようなノリのサプライズはアンバランスさを感じました。(個室を案内すべきでは?)。
そしてやはり有名店ゆえに客層は‥ お椀を持ち上げずに食べる人、料理と料理の間は常にスマホをいじっていた隣席のお一人様、酔いが回って大声で騒ぎスタッフにも飲ませようとする常連さん、店主の器のコレクションを撮影しにきたフルサイズの一眼レフをカウンターの上にゴツンと置いているこちらも常連さんなど‥
料理が美味しく、接客も文句なしだったはずなのに退店時になにか引っかかったのは、おそらく客や雰囲気をうまくコントロールできていないように感じたからだと思います。
2021年の春頃より店内で一切の写真撮影が禁止になったのも何かしらトラブルがあったのではと邪推。
木山さんはこのクラスのお店としては珍しく個室利用の追加料金が不要(2022年時点)なので、同席する客層に少しでも不安があるなら2人以上で個室希望を強く推奨しておきます。
木山の店舗情報
木山の予約
完全予約制。
TEL:075-256-4460
席数が多くネット予約にも対応しているので、人気店ですがスケジュールに余裕さえあれば比較的席を確保しやすいお店です。
和食店を電話予約する場合、「営業時間外」にかけるほうがスムーズです。
仕込みや掃除、片付けがあるので営業時間の前後でも電話は必ず通じます。
またネット予約は数日前に締め切ってしまう店が多いので、ネットで空席がなくても電話ならば予約できることがあります。
木山 一見対応
一見客に対しても店主からの挨拶、会話、お見送りあり。木山さん自らドリンクの注文をとりにきて話しかけてくれたりと配慮していただけます。
個室利用であれば、こういうお店が初めての人にもおすすめ。
木山 利用シチュエーション
お一人様 | ○ |
---|---|
一組の人数 | カウンター 〜11人 / 個室 〜7人 |
子連れ | 個室のみ可 乳幼児、ベビーカーもOK |
デート | ○ |
接待 | ○ |
近年カウンターは2階席が増築されたので、階段を使いたくない場合は1階席に通してもらえるよう予約時に要相談。
個室はカウンター7席の部屋とテーブル6席の部屋の2つ。こちらも席のタイプに希望がある場合は予約時に伝えておきましょう。
個室客とカウンター客は入り口やお手洗い以外では顔を合わせることがないつくりなので、お忍びや緊張感のある接待にも○。
個室料金不要、かつ乳幼児も可なので子育て世代にも優しいお店です。
また冬の蟹コースはお一人様で一杯も相談可なので、他所だと2人以上からしか注文できないことが多い蟹のフルコースを一人で食べてみたい人にもおすすめ。
木山 服装・ドレスコード
スマートカジュアル以上の指定あり。
木山 営業時間などの詳細情報
免責:メニュー、価格、営業時間等の情報は店舗訪問時、および記事執筆時点のものを掲載しており最新ではないことがあります。ご了承ください。
- 店名:きやま / kiyama
- 料理ジャンル:和食(割烹・懐石)
- 観光エリア:京都御所周辺
- 住所:〒604-0804 京都府京都市中京区絹屋町136 ヴェルドール御所 ( →地図でみる)
- 営業時間:ランチ 12:00または13:00 スタート / ディナー 18:00または19:00スタート
- 定休日:不定休
- 公式情報: https://kiyama-kyoto.com
- 予約:完全予約制(電話・ネット)
- 電話:075-256-4460
- 予算:ランチ 14520円~(夜のコースも可) / ディナー 30250円 / 冬季 蟹の特別コース(時価)あり
- 支払い方法:クレジットカード可
- 座席:カウンター / 個室( 〜7人)
- タバコ:禁煙
- 備考:お一人様可 子供可(個室のみ) ドリンク持込可(3000円) 店内撮影禁止
木山のアクセス
住所と地図、経路のリンク
- 〒604-0804 京都府京都市中京区絹屋町136 ヴェルドール御所 ( →地図でみる)
- →現在地から木山の経路を表示
- →京都駅から木山の経路を表示
タクシーの行き先:有名店なので「木山」でも通じる可能性が高い。あるいは「御所南の堺町通と竹屋町通の交差点の辺り」。
電車 バス
- 地下鉄 烏丸線「丸太町駅」徒歩5分
- 市バス(系統:10、65、93、202、204)「裁判所前」徒歩3分
駐車場
なし。
店舗前の通りを南にまっすぐ進む(一方通行)と近くにコインパーキングがある。
「木山」周辺の京都観光名所
京都御苑の南門から徒歩5分。