岩船寺の概要
岩船寺は、天平元年(729)に聖武天皇の勅命を受けた行基が大和国(現在の奈良市)にある善根寺の境内に建立した阿弥陀堂にはじまるという。
あるいは、大同元年(806)に弘法大師 空海とその甥とされる智泉によって建てられた報恩院が直接の起源とする説もある。
智泉が嵯峨天皇に命じられて皇孫の誕生祈願を行ったところ、後に仁明天皇となる皇子が産まれたと伝わり、弘仁四年(823)嵯峨天皇の皇后 橘嘉智子(たちばなのかちこ)の援助を受けて伽藍が造営され岩船寺に改められた。
創建当時は広大な寺域を有していたが、承久の乱(1221)をはじめとする戦乱によって度々大きな被害を受けた。
江戸時代初期に徳川家康・秀忠らの支援を受けた文了によって再興。
長年に渡り法相宗の寺院として興福寺との関係が深かったが、明治十四年(1881)に西大寺の末寺となり真言律宗に改宗している。
本堂は昭和六十三年(1988)の再建だが、境内には三重塔(室町時代)、五輪塔、十三重石塔(ともに鎌倉時代)など貴重な遺構も現存する。
岩船寺の見どころ
仏像の数々
岩船寺の本堂に祀られている阿弥陀如来坐像は天慶九年(946)の作という説があり、平安時代中期の作風を今に伝える仏像とされている。
その他にも智泉の彫刻という普賢菩薩騎象像(平安時代)、四天王立像(鎌倉時代)、十一面観音像(鎌倉時代)など数多くの貴重な仏像を安置する。
あじさいの寺
岩船寺の境内は四季折々の草花によって彩られるが、特に梅雨の時期のアジサイが有名。
三重塔と色とりどりの花というお寺らしい梅雨の景色が楽しめる。
石仏の里
岩船寺のある地域は平安時代から室町時代頃に作られた「当尾の石仏」が点在することで知られる。地場産の野菜や漬物を吊るして売る露店も名物である。
散策路は一部山道となるため、岩船寺から浄瑠璃寺へ向かって下りながら歩いたほうがよい(1.7km / 約40分)。
なお人通りは少なく夏場は雑草が生い茂る野道を歩かなければならないことは留意しておきたい。
岩船寺 写真撮影の注意事項
お堂内部は撮影不可。
岩船寺の混雑
空いている日が多い。
アジサイの期間は観光バスが来るなど混雑することがある。
岩船寺の御朱印
300円。
岩船寺のアクセス
住所と地図、経路のリンク
- 〒619-1133 京都府木津川市加茂町岩船上ノ門43( →地図でみる)
電車 バス
- JR関西本線「加茂駅」東口からコミュニティバス(400円)で15分
- JRまたは近鉄「奈良駅」から奈良交通バスで30分。さらに「浄瑠璃寺前」でコミュニティバス(200円)に乗り換えて7分
バスは本数が少ないためできれば車で参拝したほうがよい。
駐車場
参道の前に広い有料の私営駐車場が多数ある。相場は300 〜 400円程度。
岩船寺の基本情報
- 名前:がんせんじ / gansenji
- 創建:729年
- 山号:高雄山
- 開山 / 開基:行基 / 聖武天皇
- 宗派:真言律宗 / 真言宗
- 本尊:阿弥陀如来
- 公式情報:http://gansenji.or.jp
- 観光エリア:当尾・木津川・京田辺
- 住所:〒619-1133 京都府木津川市加茂町岩船上ノ門43( →地図でみる)
- 受付時間:8:30 ~ 16:45(3月 〜 11月) / 9:00 〜 15:45(12月 〜 2月)
- 拝観料:500円
- 所要時間の目安:30分 〜 1時間