高山寺の概要
高山寺は、宝亀五年(774)に光仁天皇の勅願によって創建された神願寺都賀尾坊(しんがんじとがのおぼう)にはじまるとされる。
建永元年(1206)に明恵が後鳥羽上皇から当寺を下賜されて華厳宗の根本道場として再興。
この頃に「日出先照高山之寺(ひいでてまずこうさんをてらすのてら)」の勅願を賜り高山寺となる。
明恵は幼少期を神護寺中興の祖 文覚(もんがく)の元で過ごしたのち、奈良県の東大寺で華厳宗を、山科の勧修寺で密教を学ぶなど宗派にとらわれることなく幅広い仏道を修めた名僧であり、皇族・貴族・武家など様々な層から篤く信仰された。
天文十六年(1547)に戦乱に巻き込まれて消失したが、寛永十一年(1634)に仁和寺のお堂が移築され真言宗の寺院として再建。
このお堂は本尊 釈迦如来を祀る金堂として現存しており、表参道を登った先に位置している。
開山堂は江戸時代の再建で中興開山の明恵上人坐像を安置する。
平成六年(1994)ユネスコ世界遺産に登録された。
高山寺の見どころ
国宝 石水院
高山寺の石水院は建保四年(1216)に建立された境内最古の建築物で国宝にも指定されている。
元々は明恵が後鳥羽上皇から賜った建物で学問所と東経蔵を兼ねており、昔は金堂の東側にあったが明治十二年(1889)に現在地へ移築された。
蔀戸(しとみど)などが数多く使われた鎌倉時代の住宅建築を今に伝える貴重な遺構である。
南縁の眼下にはもみじが広がり、新緑や紅葉の名所としても名高い。
数々の寺宝
高山寺は国宝「鳥獣人物戯画絵巻」の他、中興開山の明恵に関わる多数の寺宝を所蔵していることで知られる。
大半は収蔵庫や博物館への依託によって厳重に管理されており公開されていないが、公式サイトで詳細な解説とともに鑑賞できるようになっている。
日本の「茶の発祥の地」
明恵は臨済宗の開祖 栄西が中国から持ち帰った茶種をこの地で栽培したことでも知られ、高山寺は「茶の発祥の地」と称される。
有名な宇治茶も元々はこの地で育てた茶の苗木を移植したのにはじまるという。
毎年11月8日の午前には開山堂で献茶式が催される。
高山寺 写真撮影の注意事項
境内全域で三脚禁止。
その他一部撮影不可の場所あり。
高山寺の混雑
平時は空いている日が多い。
紅葉シーズンは混雑する。
高山寺の御朱印
300円。
高山寺のアクセス
住所と地図、経路のリンク
- 〒616-8295 京都府京都市右京区梅ケ畑栂尾町8( →地図でみる)
- →現在地から高山寺の経路を表示
- →京都駅から高山寺の経路を表示
電車 バス
- 市バス(系統:8)「栂ノ尾(とがのお)」徒歩5分
- JR西日本バス(高雄・京北線)「栂ノ尾」徒歩5分
駐車場
参道の下に無料の市営駐車場がある。紅葉シーズンの日中は有料。
一本道で渋滞するため紅葉の時期は早い時間の到着が望ましい。
高山寺の基本情報
- 名前:こうさんじ / kousanji / こうざんじ / kouzanji
- 創建:774年
- 山号:栂尾山
- 開山 / 開基:光仁天皇
- 宗派: 真言宗
- 本尊:釈迦如来
- 公式情報:https://kosanji.com
- 観光エリア:高雄・周山
- 住所:〒616-8295 京都府京都市右京区梅ケ畑栂尾町8( →地図でみる)
- 電話:075-861-4204
- 受付時間:8:30 ~ 17:00
- 拝観料:境内自由(10月と11月は入山料500円) / 石水院 800円
- 所要時間の目安:1時間