永観堂の概要
永観堂は、貞観五年(863)清和天皇の勅額を賜った弘法大師の弟子 真紹(しんじょう)によって創建された。
正式名称は無量寿院禅林寺(むりょうじゅいんぜんりんじ)という。
中興の祖である七世 永観(ようかん)は弱者救済のために奔走して寺院を発展させ、多くの人の尊敬を集めたことから永観堂と呼ばれるようになった。
同時期に本尊が大日如来から阿弥陀如来にかわり、浄土念仏の道場となる。
元は真言宗の寺院だったが、鎌倉時代に十七世 静遍(じょうへん)が法然の教えに帰依し浄土宗に改宗。
法然の弟子である証空が次世代の住職として招聘され、浄土宗西山禅林寺派の総本山となった。
永観堂の見どころ
京都随一の紅葉名所
永観堂は「もみじの永観堂」として全国的に名が知られ、東福寺と並び京都屈指の紅葉名所となっている。
様々な色に紅葉したもみじによって彩られる境内の景色は圧巻。混雑すると分かっていても一度は見に行く価値がある。
なお行列ができるのは開門前のみなので、入場するためにわざわざ並ぶ必要はない。
夜間特別拝観 紅葉ライトアップ
永観堂は紅葉シーズンにライトアップを実施。
昼夜入れ替え制で拝観料は600円。受付時間は17:30 〜 21:00(閉門21:30)。
夜間は庭園のみ拝観でき、建物内には入れない。
ライトアップも開門前に行列ができるが、少し時間がたった後は待たずに入場できるのでわざわざ並ぶ意味はない。
地下鉄からのアクセスもよく遅い時間まで拝観できるため、先に夕食を済ませてから訪れるとよい。
ライトアップは年によって行われない可能性があります。必ず最新情報を確認してから訪問してください。
静かに楽しめる新緑
永観堂は紅葉シーズンが特に有名だが、もちろん新緑も美しい。
新緑の季節はさほど混雑しておらず、ゆっくりと春の息吹を感じることができる。
また紅葉シーズンと違い建物内の一方通行、臥龍廊(がりゅうろう)の閉鎖といった制限がないのも特筆すべき点である。
みかえり阿弥陀
本尊の阿弥陀如来立像は、永観(ようかん)が念仏修行中に現れ「永観、おそし」と言葉を発した瞬間の阿弥陀様の姿をしており、「みかえり阿弥陀」と呼ばれている。
振り向いた姿には、遅れるものを待つ、よく周りをみつめる、自分自身を省みる、といった教えが込められているという。
永観堂は他にも恵心僧都と伝わる「絹本着色山越阿弥陀図」、長谷川等伯筆「紙本墨画波濤図」など数々の寺宝を所有しており、一部は紅葉シーズンに公開される。
永観堂の七不思議
- 「抜け雀」:方丈欄干の雀の絵が一羽少ない
- 「悲田梅」:永観が衆生救済のために植えたと伝わる梅
- 「臥龍廊」:龍がのびているように見える回廊
- 「三鈷の松」:葉が三本に分かれ、開運・金運によいとされる
- 「木魚蛙」:境内のカエルの鳴き声が木魚のように聞こえる
- 「火除けの阿弥陀如来」:創建当時から安置されている五体の仏像のうち、応仁の乱の後も焼けずに残った一体
- 「岩垣紅葉」:建物裏の急斜面に自生するもみじ
永観堂 写真撮影の注意事項
三脚、自撮り棒禁止。
建物内は庭園方向のみ撮影可能。
紅葉シーズンやライトアップは開門前から行列ができるが、別の入口から団体客が入場してくるので早くから並んだとしても人が写り込んでいない写真を撮影するのはほぼ不可能。
また山裾にあり秋、冬は9:30頃までは日当たりが悪い点も要注意。
永観堂の混雑
平時は比較的空いている日が多い。
紅葉シーズンとライトアップは開門前から数百人が列をなし終日混雑する。
永観堂の御朱印
300円。
永観堂のアクセス
住所と地図、経路のリンク
- 〒606-8445 京都府京都市左京区永観堂町48( →地図でみる)
- →現在地から永観堂の経路を表示
- →京都駅から永観堂の経路を表示
電車 バス
- 地下鉄 東西線「蹴上駅」徒歩15分
- 市バス(系統:5)「南禅寺・永観堂道」徒歩10分
駐車場
なし。門の横の駐車場はタクシー、観光バス、関係者のみ駐車できる。
すぐ近くの南禅寺の参道に有料駐車場があるが、紅葉シーズンなどは車での参拝は控えたほうがよい。
永観堂の基本情報
- 名前:えいかんどう / eikando / ぜんりんじ / zenrinji
- 創建:863年
- 山号:聖衆来迎山
- 開山 / 開基:真紹
- 宗派:浄土宗
- 本尊:阿弥陀如来
- 公式情報:http://www.eikando.or.jp
- 観光エリア:銀閣寺・哲学の道・南禅寺
- 住所:〒606-8445 京都府京都市左京区永観堂町48( →地図でみる)
- 受付時間:9:00 ~ 16:00
- 拝観料:600円(寺宝展 / 紅葉シーズンは1000円)
- 所要時間の目安:1時間 〜 1時間30分