京都仙洞御所の概要
仙洞御所は天皇を退位して上皇、院となった方の御所のことである。
2019年の明仁天皇陛下の生前退位に伴い東京にも仙洞御所ができたため、京都のものは「京都仙洞御所」と呼ばれるようになった。
京都仙洞御所は、江戸幕府と折り合いが悪く徳川家に相談せずに天皇を退位して上皇となった後水尾上皇の御所として寛永七年(1630)に造営された。
後水尾上皇が存命中にも何度か焼失したが、その都度再建され霊元、中御門、桜町、後桜町、光格の五代に渡って上皇の住居として使用された。
しかし嘉永七年(1854)に焼失した際、仙洞御所を利用する上皇がいなかったことから再建が見送られ、現在も移築した二つの茶室「又新亭(ゆうしんてい)」と「醒花亭(せいかてい)」以外の建物は存在しない。
京都仙洞御所の見どころ
大宮御所と松竹梅の庭
仙洞御所が造営された当時、同時に後水尾上皇の皇后 東福門院の女院御所も建立された。
この跡地には慶応三年(1867)に孝明天皇の女御 英照皇太后の住まいとして大宮御所が建てられた。
大宮御所は大正時代に内装を洋風に改装し、現在も天皇皇后両陛下や上皇上皇后両陛下が京都を訪れた際の宿泊所として利用されているほか、イギリスの故ダイアナ妃など海外からの来賓が宿泊したこともある。
御常御殿(おつねごてん)の南にある「南庭(だんてい)」には松、竹、梅が植樹され「松竹梅の庭」と呼ばれている。
広大な池泉回遊式庭園
京都仙洞御所の広大な池泉回遊式庭園は、かつて女院御所の庭だった北池と仙洞御所の庭だった南池を中心につくられている。
東山を借景とする景色、もみじ、藤の花、桜など季節に応じて様々な姿を楽しめる名園として知られる。
当時の作庭は小堀遠州が担当したが、その後の度重なる改修により造営当時の面影はほとんど残っていないという。
また仙洞御所の庭園の敷地内には、御所ができる前の平安時代には歌人 紀貫之の邸宅があったと伝わる。
茶室 又新亭と醒花亭
京都仙洞御所には又新亭と醒花亭という二つの茶室がある。
庭園の南にある醒花亭は南池周辺を一望できるロケーションに建てられている。
又新亭は明治十七年(1884)に近衛邸から移築したもので、丸窓と四ツ目垣という特徴的な生け垣がある。
京都仙洞御所 写真撮影の注意事項
三脚禁止。
京都仙洞御所の参観予約
京都仙洞御所は宮内庁が管理する施設のため、参観には事前申し込みが必要。
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予約申込方法 4パターン
- 往復はがきによる郵送予約
- 公式サイトからネット予約
- 宮内庁京都事務所で手続き
- 当日予約
いずれの方法も細かいルールが定められているので、公式サイトの要項を熟読してからの申し込みが必須。
京都仙洞御所のアクセス
住所と地図、経路のリンク
- 〒602-0881 京都府京都市上京区京都御苑2−番地( →地図でみる)
- →現在地から京都仙洞御所の経路を表示
- →京都駅から京都仙洞御所の経路を表示
電車 バス
- 地下鉄 烏丸線「丸太町駅」徒歩15分
- 市バス(系統:3、4、17、37、59、205)「府立医大病院前」徒歩10分
駐車場
京都御苑の東側駐車場(寺町通沿い)を利用。
京都仙洞御所の基本情報
- 名前:きょうと せんとうごしょ / kyoto sentougosho
- 造営年:1630年
- 公式情報: https://kyoto-gosho.kunaicho.go.jp/sento-gosho
- 観光エリア:御所・相国寺
- 住所:〒602-0881 京都府京都市上京区京都御苑2−番地( →地図でみる)
- 受付時間:9:30 ~ 15:30
- 参観休止日:月曜日(祝日の場合は翌日休み) / 12/28 〜 1/4
- 入場料:無料
- 所要時間の目安:1時間