常照皇寺の概要
常照皇寺は光厳天皇が貞治元年(1362)に創建した禅宗寺院。
正式名称は「大雄名山 万寿常照皇寺(だいおうめいざん まんじゅじょうしょうこうじ)」という。
当寺を開いた光厳天皇は南北朝時代の北朝の初代天皇として知られる。
建武三年(1336)に上洛した足利尊氏が光厳天皇の弟を光明天皇として即位させたことから光厳院は上皇となった。
しかし光厳院は観応三年(1352)吉野へ逃亡した後醍醐天皇の南朝軍に兄弟、息子ともども捕らえられ河内長野の金剛寺に幽閉されることになり、これを機に出家。
ようやく解放された後に天台宗の成就寺という廃寺を復興したのが常照皇寺であり、光厳院はこの地で生涯を終えた。埋葬された御陵が山國稜である。
光厳院が亡くなった後も後花園天皇らの尽力により護寺されたが、天正七年(1579)に明智光秀の戦で焼失してしまった。
現存する建物や庭園は江戸時代の後水尾天皇による再建以降に造営されたもの。
常照皇寺の見どころ
3つの桜の名木
常照皇寺の方丈南側には三種類の大きな桜の木がある。
「九重桜」は一重咲きの枝垂れ桜であり、光明天皇が隠棲していた兄 光厳院を訪ねた際に御所から植え替えたものと伝わる。
現在のものは半世紀ほど前に植えられた二代目であり、京都の桜で唯一国の天然記念物に指定されている。
「左近の桜」は岩倉具視によって御所から株分けされたものという。
「御車返しの桜」は一重と八重の花が同じ枝に咲く珍しい品種であり、名前は江戸時代に後水尾天皇があまりの美しさに御所車を引き返させたという逸話に由来する。
3つとも満開を迎える時期が違い、比較的長い間桜を楽しむことができる名所である。
方丈庭園と紅葉
方丈北側は苔むした山肌に石や灯籠を配し、その上にはもみじが広がる池泉式庭園。
密かな青もみじ、早めの紅葉名所として知られる。標高が高く市の中心部より紅葉が早く、例年11月中旬ごろに見頃を迎える。
常照皇寺 写真撮影の注意事項
三脚禁止。
常照皇寺の混雑
平時は空いている。
桜の季節はやや人が多い。
常照皇寺の御朱印
300円。書き手不在の場合は書き置きになることがある。
常照皇寺のアクセス
住所と地図のリンク
- 〒601-0313 京都府京都市右京区京北井戸町丸山14−6( →地図でみる)
電車 バス
- 京北ふるさとバス 山国・黒田線 「山國御陵前」徒歩10分
京都市の中心部からアクセスする場合、JR西日本バス「高雄・京北線」の終点「周山(しゅうざん)」で京北ふるさとバスに乗り換えになる。
駐車場
参道の前に広い参拝者用の無料駐車場がある。