桂離宮の概要
桂離宮は、正親町天皇(おおぎまちてんのう)の孫で後陽成天皇の弟である八条宮家初代 智仁親王(としひとしんのう)によって造営された山荘である。
元和年間(1615 〜 1624)頃に原型となる桂山荘が完成したが、寛永六年(1629)に智仁親王が亡くなると一時荒廃した。
その後、二代 智忠親王(としただしんのう)によって再興、増築が行われている。
再建にあたっては、智忠親王の妻 富姫の出自である加賀藩や徳川幕府からの援助を受けた。
明暦四年(1658)および寛文三年(1663)の後水尾上皇の行幸に際して再び増築が行われ現在の形が整えられた。境内にある四つの茶屋「松琴亭」、「賞花亭」、「笑意軒」、「月波楼」はいずれもこの時期の建立。
かつては「桂別業」と称されたが、明治十四年(1881)に八条宮家の系譜である桂宮家が断絶したのを機に宮内省の管轄となり「桂離宮」に改称された。
著名なドイツ人建築家 ブルーノ・タウトが絶賛したという逸話でも知られる。
桂離宮の見どころ
造営当時の姿を残す皇族の山荘
桂離宮は度重なる戦火や火災の被害を奇跡的に免れており、江戸時代初期に造営された建物と庭園がそのままの形で現存しているのが大きな特徴となっている。
池泉回遊式庭園を中心に数寄屋造りの書院や茶室を配置し、それぞれに舟着場が設けられている。
智仁親王、智忠親王の親子はあらゆる芸術に秀でた高い美意識の持ち主であり、桂離宮の造営にあたり事細かに指示を出したと言われる。
最も格式の高い茅葺き入母屋造の茶屋「松琴亭」にある市松模様の襖など、特に建物の細部にそのセンスを感じることができる。
後水尾上皇を迎えるにあたって増築された書院の新御殿には「桂棚」という違い棚があり、醍醐寺 三宝院の「醍醐棚」、修学院離宮の「霞棚」と並び天下の三大名棚と称される。
なお智忠親王の弟 良尚法親王(りょうしょうほっしんのう)が手掛けた一乗寺の曼殊院は「小さな桂離宮」と呼ばれ、類似する意匠が数多く見られることで有名。
桂離宮 写真撮影の注意事項
三脚禁止。
解説員と皇宮警察に挟まれて移動するかたちになるため、勝手な行動はできない。
桂離宮の参観予約
桂離宮は宮内庁が管理する施設のため、参観には事前申し込みが必要。
-
予約申込方法 4パターン
- 往復はがきによる郵送予約
- 公式サイトからネット予約
- 宮内庁京都事務所で手続き
- 当日予約
いずれの方法も細かいルールが定められているので、公式サイトの要項を熟読してからの申し込みが必須。
桂離宮のアクセス
住所と地図、経路のリンク
- 〒615-8014 京都府京都市西京区桂御園( →地図でみる)
- →現在地から桂離宮の経路を表示
- →京都駅から桂離宮の経路を表示
電車 バス
- 阪急電車線「桂駅」徒歩20分
- 市バス(系統:33)「桂離宮前」徒歩10分
- 京阪バス(系統:2、14、28)「桂離宮前」徒歩10分
駐車場
広い無料駐車場がある。
桂離宮の基本情報
- 名前:かつらりきゅう / katsurarikyu
- 造営年:1615年頃
- 公式情報: https://kyoto-gosho.kunaicho.go.jp/katsura-rikyu
- 観光エリア:桂離宮・苔寺
- 住所:〒615-8014 京都府京都市西京区桂御園( →地図でみる)
- 受付時間:9:00 ~ 16:00
- 参観休止日:月曜(祝日の場合はその翌日) / 12/28 〜 1/4
- 入場料:1000円(18歳以下は無料)
- 所要時間の目安:1時間30分