鞍馬寺の概要
鞍馬寺は、宝亀元年(770)鑑真の弟子 鑑禎(がんちょう)が鞍馬山に毘沙門天を祀る草庵を結んだのが起源とされる。
延暦十五年(796)、藤原伊勢人(ふじわらのいせんど)が鞍馬山に安置されていたこの毘沙門天と出会い、北方鎮護の道場として伽藍を建立した。
平安時代以降は天台宗の寺院となり青蓮院との関係を深め、白河上皇、藤原道長、頼道、師通といった位の高い人々の参拝の記録が残る。
さらに清少納言の「枕草子」、菅原孝標の「更級日記」、紫式部の「源氏物語」といった女流文学の作品にも鞍馬寺の様子が表現されている。
昭和二十二年(1947)、神道、密教、修験道など鞍馬山に根付いた多様な信仰を包括する形で「鞍馬弘教」を開宗し、二年後の昭和二十四年(1949)よりその総本山となり現在にいたる。
参拝に際し、本堂までは山門周辺からケーブルカーを利用するルート(寄付金200円、降車後約400mを徒歩10分)、または徒歩で由岐神社を経由して本堂まで登るルート(約30分)がある。
鞍馬寺の見どころ
大自然と長年の信仰を感じる鞍馬山
鞍馬寺は長きにわたり信仰されてきた祈りの山であると同時に、四季折々の風情を楽しむことができる「鞍馬山自然科学博物苑」でもある。
参道では桜や紅葉、花や野鳥などの大自然を感じることができる。
平安時代、鎌倉時代の国宝仏像が間近で鑑賞できる霊宝殿
鞍馬寺の本堂より少し登った先には霊宝殿があり、一階は鞍馬寺の自然科学博物館、二階は寺宝、三階は仏像奉安室となっている。
特に三階では平安時代、鎌倉時代に作られた毘沙門天立像、吉祥天立像、善膩師童子像(ぜんにしどうじりゅうぞう)などの貴重な仏像(いずれも国宝)を間近で鑑賞することが可能。
霊宝殿内の写真撮影はできないが、一部の仏像は公式サイトで見ることができる。
なお本尊である尊天(護法魔王尊 / 毘沙門天 / 千手観音)は秘仏であり、60年に一度丙寅の年(次回は2046年)に開帳される。
また霊宝殿前にある大きなカエデの木は通好みの紅葉スポットとして密かに人気。
牛若丸が修行した地
牛若丸(源義経の幼名)は7歳から16歳までの少年期を鞍馬寺で過ごしたとされる。鞍馬駅前にある天狗像は、牛若丸が鞍馬山で天狗から兵法を授かったという伝説にちなむ。
このことから鞍馬山は武の山としても信仰され、後の戦国時代には武田信玄、豊臣秀吉、徳川家康といった名だたる武将たちも戦勝祈願を行ったという。
本堂から貴船神社へと鞍馬山を超えていく山道には義経にまつわる史跡が多々残されており、彼の足跡をたどることができる。
なお鞍馬寺の山門から貴船神社までは約1時間半の山道であり、散策には歩きやすい靴と服装が必須。
鞍馬寺 写真撮影の注意事項
本堂内と霊宝殿の内部は撮影禁止。
鞍馬寺の混雑
境内はかなり広いので、人が多くても混んでいると感じることはあまりない。
鞍馬寺の御朱印
300円。本堂内で授与される。
鞍馬寺のアクセス
住所と地図、経路のリンク
- 〒601-1111 京都府京都市左京区鞍馬本町1074番地( →地図でみる)
- →現在地から鞍馬寺の経路を表示
- →京都駅から鞍馬寺の経路を表示
電車 バス
- 京都バス(系統:32、52)「鞍馬」山門まで徒歩3分
- 叡山電車「鞍馬駅」山門まで徒歩3分
駐車場
鞍馬駅周辺にたくさんの私営駐車場がある。
相場は終日500円程度だが、一部時間制限を設けている所もあるので注意が必要。
人がいない早朝でも料金箱に前払いして停められる駐車場もある。
鞍馬寺の基本情報
- 名前:くらまでら / kuramadera
- 創建:770年?
- 山号:鞍馬山
- 開山 / 開基:鑑禎?
- 宗派:鞍馬弘教
- 本尊:尊天(護法魔王尊 / 毘沙門天 / 千手観音)
- 公式情報:http://www.kuramadera.or.jp
- 観光エリア:鞍馬・貴船・岩倉
- 住所:〒601-1111 京都府京都市左京区鞍馬本町1074番地( →地図でみる)
- 受付時間:境内自由 / 9:00 ~16:30(朱印受付。霊宝殿は16:00まで)/ 霊宝殿は月曜休み(祝日の場合は翌日が休み)
- 拝観料:入山料 300円 / ケーブルカーの利用は寄付金200円 / 霊宝殿 200円
- 所要時間の目安:2時間 / 鞍馬駅から徒歩で参拝する場合は往復、拝観時間を含め3時間~